田舎の田舎で、4歳以下の子どもや30代層が増えている話
2月8日は、持続可能な地域総合研究所主催のシンポジウムに。
以前知って、すごく驚いたのは、2010年頃を境に、島根県の中でも田舎の田舎、特に縁辺性の高い場所で、4歳以下の子どもや30代層が増えているという話。
しかも、増えている地域の数が中山間地域の3分の1(218地区のうち73地区)と意外に多い。
「人口数」という合計値からは見えにくいこの層ごとの動きを、持続研では自然減などを省いてデータ化していて、昨年は全国版の結果も発表しています。
これは、政府が「地方創生」を言い出すずっと前から、危機感を感じていた各地区が数多の対策をしてきた結果、成果が出始めているってことらしいのですが。
近々現場を実際に見てまわってレポートしたいなと思っています。
さらに、シンポジウムでは大きく扱われていたのが「地域内経済」の話。
ひとつの地域の中からどれくらいのお金が漏れ出ていて、何でお金が外から入ってきているかの「域内経済」を、自治体レベルで計算した上で、対策を講じようとする考え方です。
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ナショナルチェーンや外資など、買えば買うほど外にお金が出ていってしまう。
その買い物を続けると
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余計に、地方経済が疲弊する
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じゃあ、どうやって漏れ出るお金を防げばよいのか?
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調べたみたら○○で大きなお金が出ていってるから、そこを地元で産業にしてふせごう
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ってこと。
この「調べてみたら」ってところがポイントで、町ぐるみや地域単位で計算しているところはまだまだ少ない。何の産業から地域内でテコ入れしていくかを、町全体で決めていくってことです。
いくつかの市町村が、何の産業でお金を得て、何で外に出ているかを計算した上で、全体の産業計画に反映させていて、エネルギー自給率の大幅アップなど外に漏れ出るお金を防ぐことができ始めているのだとか。
北海道下川町の事例はわりと知られていそうですが、福井県の池田町や、長野の富士見町など、いくつかの町でもそのデータが取れていて、域内購入率などの数字が発表されました。
これまでも、消費者目線で「地元で買おう」のようなことはよく言われてきましたが、そもそも店がなくなり地元で買えない状況も増えているなかで、町全体で大きな漏れ穴を防いでいこうとする動きは、大きな違いになるのではないかと。
研究所代表の藤山浩さんは、これまでのデータから、各地区の現人口の1%ずつ(地区によっては1組や2組)でも毎年増やしていければ、人口安定ライン(劇的には増えなくても)、持続可能なラインを保てるってことを提唱されている方で、「僕が言っていることではなくてデータが言ってることなんです」と。
各地区ごとにおじいちゃんおばあちゃんたちが会社をつくって、集落の人たちが生態系をつくり始めているという話は最先端の話の気がしています。
えらく長くなってしまった…最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました