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2024-07-12

誰もが職人になれる「里山ビレッジ」を


里山に「職人ビレッジ」を|島根県 温泉津

土着の工芸の、その先へ 第8回

伝統産業のリブランディングなどを手がけてきた小林新也さんが、島根で始められている里山の取り組みを、あらためて記事にしました。

「ある日気づいたら原料がない、道具がないで突然ものづくりができなくなるなんて、普通に想像できます。だから自分たちで、今のうちから手を打つほかに方法がないって話ですね」

鍛冶に限らず、原料が足りない、道具がないという話を耳にします。和紙も、漆も、藍も、取材していると原料や道具の話になり、やむをえず原料から育て始めている職人さんも出てきている。

ずっとものづくりの現場を見てきた小林さんが、今のシステムにはもう限界がきていて、いったん諦めた。いったん質が落ちても、原料から自給できるしくみをつくり直そうとしている、という記事です。

2020年に小林さんが島根の温泉津に里山を買って再生を始めていると聞いたときは、すごく腑に落ちたし、共感するところもあったけれど、あまりの計画の壮大さに、気が遠くなる思いがしました(記事でも何度か言葉にしてます)。

でも、この4年間ずっと、何度か経過を見せてもらうたびに、一歩ずつ着実に前に進めてきていて、気付けばすごい前に進んでいて、本当に凄い人だと思わざるを得ない。私から見ると小林さんは、純度の高い熱量を抱えたままそれにつき動かされている人に見えます。

「播州刃物」のリブランディングや、後継者育成のプロジェクトは、これまでに本や雑誌にも書いたし、ウェブの記事にもしてきました。でも、里山の取り組みの本質をこれまではよくわかっていなかったかもしれません。

今回、やっと少し理解できたのかもしれない。一つは、もう、今のものづくりのしくみに限界を感じて、一度は諦めたのだということ。自分たちが関与できないところの理由でものづくりができなくなるくらいなら、ゼロからスタートして作り直すほうがいいと考えた。

仮に質が落ちたとしても。もう一つは、きっとこれまでにもずっと同じ気持があったんだと思いますが、私の記事には書けていなかった。それがここです。

「世の中から職人が消えていく不安が拭えないんです。今のままでは安心できない」

「里山で原点に向き合って初めて安心できるんじゃないかなと思う」

人が生きている限り「ものをつくる」ことからは離れられないと思いますが、「職人」がと仰ってるところにキーがある気がしました。

よければ、ぜひ読んでみてください。

誰もが職人になれる
里山に「職人ビレッジ」を|島根県 温泉津

土着の工芸の、その先へ 第8回


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