2017-12-20
TURNS2月号 特集は「継業」。漆カンナづくりの技を継ぐ野鍛冶の話
嬉しい号が出ました。『TURNS』最新号、テーマは「つぎつぎ、継業」。
漆カンナをつくる青森の鍛冶職人と、その技を継ぐ鍛冶屋omotoヤストさんの話を巻頭10ページにてどどんと。飯坂大さんの迫力ある写真で構成しています。編集・構成と執筆を担当しました。
「昔はどの集落にも、野鍛冶と呼ばれる職人がいた。
…漆を掻く「漆鉋」もそのひとつ。ただしこの鉋をつくるのは、いまや日本でただ一人。その技を継ぐため、通ってくる鍛冶屋が現れた…」(リードより)
いま国産漆の割合は3パーセントほどですが、文化財の建築物に国産漆を使うと文化庁が発表して以来、量が足りていない。
産地の浄法寺では、うるしの植林や掻き子の養成が始まっているものの、漆を掻くカンナをつくれる鍛冶屋が日本に一人しかいない危機的状況…という話を半年ほど前にここにも書きましたが、3年以上いわきから青森県田子へ通い「何とか次へ…」とヤストさんが奮闘されてきた物語です。
大さんの撮りためた素晴らしい写真あってのページで、この記録をここで発表していいのかずいぶん悩みましたが、刷り上がったものを見てようやくやってよかったかなと…。
野鍛冶、中畑さんは鍛冶歴60年のベテランですが、病気されて、教えるにもぎりぎりの体力だったに違いなく。omotoの2人は持ち出しで昨年から浄法寺に家を借りて、使い手のそばで道具を調整しようとされています。
その心意気をとにかく届けたく。
「継ぐ」とは、けっきょく自分で同じ道を「辿り直す」ことでしかないのだなと改めて気付かされます。
この記録の価値、意味を瞬時にわかってくれたココホレのアサミさんにも…感謝です
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