2019-02-06
同じ時代を生きているはずなのに。土地の魅力を「たねの里」として
昨年、何回かに分けて年配の方に話を聞いてきた、「たねの里」大分野矢の聞き書き冊子の原稿が大詰め。
ここ数日、70、80、90代それぞれのおばあちゃんたちの話を改めて聞き続けていて、頭が完全に昭和初期にタイムトリップしています。
100年も経っていない頃のことなのに、今の社会と違いすぎてギャップがすごい。そして、今は同じ時代を生きているはずなのに、私含めて周囲の人たちと、彼女たちの暮らしのギャップもすごい。
同じ時代に生きてるのかなという。
特に女性は、自分が逆立ちしたってできない暮らしをしてきている。
84歳のイエさんは、若い頃は床屋の仕事をしながら3人の子育てとご主人の土方の手伝い、弟子9人と家族5人の炊事洗濯。食べるものがないから畑で作物もつくるし、加工、保存もやる。それを全部一人でというすさまじい労働。ワークライフバランスなんて言葉、鼻で笑われてしまいそうです。
ここ数年地域をまわるようになって知ったことですが、そんな風に日本には私たちの世代とはものすごい違う価値観をもった人たちが、たくさんいて。どんどん減っているにしても。
パソコンもスマホも見なくて、でも別のこと(明日の天気とか、風とか、実りとか、おいしいものとか、漬物の浸かり具合とか)に一生懸命な人たち。
生きていくのに苦労がなくなった今、
畑の小さな命に心を寄せて生きている人たち。
いい悪いという話ではなく、この瞬間にも両方存在しているということを、
知っているのと知らないのでは、意外と世の中の見え方が変わる気がします。
写真は、江藤慎治さん。
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