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2017-11-10

TURNS12月号 特集「地方の経済」

『TURNS』Vol26。
テーマは「地方の経済」。

経済というと「=お金のこと」と思いがちですが、いろんな「価値あるもの」が人と人の間で巡っていればお金が介在しなくても豊かでは、という意味をこめて「ぐるぐるめぐる、幸せの村」として、新潟県中ノ俣集落のことを書きました。

<雑誌TURNSのサイト>
内田樹さんなども書かれてきた、Iターン、Uターンをテーマにした雑誌です

カメラマンの佐藤秀明さんに連れていってもらって以来、もう何度かお邪魔している集落で、訪れるたびに新しい発見があります。

今回は「実態のない金融経済」にふりまわされる現代社会と、目に見える価値を自分の手で生み、周囲の人間関係(とてもアナログ)の中で多くの問題を解決しながら生きてきた人たちとの対比。
この村にもIHキッチンのある家もあるし、携帯だって使うし、技術の進歩や日本の裕福さから享受できている豊かさもあるのですが、「自分でつくる」って精神と、複雑かつ緻密な人ネットワークでたいていの課題を解決してしまう力は、もはや都会に限らず多くの地域でなくなっている。
「何か問題が起きても、あの人ならできるかもしれない、あの人は今こういう状況だから…と皆で相談しているうちにあれよあれよと、たいていのことが解決してしまう」と話されてました。

農業やDIYなど、ここ数年ソーシャルの文脈で語られていることの多くが、この村にはそのままの形で残っている気がします。
結城登美雄さんが数年前の本で紹介していた「NPOかみえちご山里ファン倶楽部」は、地元の人たちの生活に寄り添い併走する形でじっくりと活動を続けているNPO。地味ですが誠実な活動が、すっかり集落の生活の一部になっている。
写真は、omotoさんのところでお会いした飯坂大さん。前号から編集に入られたアサイさんにお世話になりました。
今号で一区切りとなる郷土料理の連載は、天栄村の義元みかさんにコーディネートいただき、福島の「さごはち」を取り上げました。若い人が年配者から受け継ぐリアルな様子が伝わっていたらいいなと思います
2年前の『自然栽培』で取り上げた二つの地域が、今号でまた同時掲載できるという嬉しい偶然でした。


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